標準添加とは、EPA(米国環境保護庁)の ILM040 の定義によると、サンプルの同量のアリコートに、3 段階の量で徐々に増やした標準液(スパイク)を添加することです。元のサンプルと各添加後のサンプルについて測定します。スロープの x 切片と y 切片は、最小二乗解析で求めます。分析対象物濃度は、x 切片の絶対値によって決定します。スパイク量はサンプル量に対して低いことが理想的です(容量の約 10%)。標準添加によってマトリクス効果が弱まる可能性がありますが、スペクトル効果には影響しません。
ワークシートの[標準液]ページで、標準添加を検量モードとして選択できます。
このページでは、以下の点について説明します。
下記のグラフは、標準添加の仕組みを説明するためのものです。定量検量線は青で示されています。
![]() |
装置レスポンスは線形関数でなければなりません。 |
未知濃度のサンプルに 1 ppm の目的元素が含まれているとします。標準添加用として、この未知濃度に y 軸を配置します(1 ppm)。この位置を「添加 0」とラベル付けします。1 ppm のスパイクをサンプルに添加します。このサンプルの合計濃度は 2 ppm であり、「添加 1」とラベル付けします。2 ppm の追加スパイクを「添加 2」とラベル付けし、同様に続けます。検量線を x 軸に補間できます。この結果の大きさは、サンプルの未知濃度、1 ppm であることが分かります。
試薬中に汚染があるときは、対象検体のシグナルが増加し、検量線での位置が変化します。これにより、サンプル濃度の補間結果が不正確になります。したがって、ブランク補正が必要です。
標準添加を使用する際は、次の点に留意してください。