QC 用語の定義と説明

以下は、ISM/200.7/SW の文書で使用される用語の定義と説明です。

用語

省略形

ISM02.1 の定義/説明

200.7(Rev 4.4 EMMC 版)の定義/説明

SW 486(および 6010C Rev 3 もしくはそのいずれか)の定義/説明

真度

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観察された値と許容される基準値が互いに一致する程度。観察された一連の値に対して適用される場合、真度は、無作為なコンポーネントと共通のものの組み合わせになります。

アリコート

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サンプル分析やサンプル準備のために採取されたフィールドサンプル、標準液、または溶液の測定される部分。

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分析日時

 

サンプル、標準液、またはブランクの分析システムを導入した日付と 24 時間形式の時刻。

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検体

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分析で測定しようとしている元素またはイオン。注目している元素。

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検体添加テスト

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分解後スパイク(PDS)」を参照してください。

準備したサンプルまたはその希釈液の一部に添加される検体の標準液。既知の値の 85% ~ 115% の範囲内の回収率にならなければなりません。
検体の添加により、メソッド検出限界の最小 20 倍、最大 100 倍を作る必要があります。
検体の添加が、サンプルの検体濃度の 20% 未満のときは、以下の希釈テストを使用する必要があります。
検体の回収率が指定されたリミット内にないときは、マトリックス効果を疑う必要があり、それに応じて関連データがフラグされます。
添加のメソッドまたは適切な内標準元素の使用で、より真度の高いデータが得られる可能性があります。

分解後スパイク(PDS)」を参照してください。

分析メソッド

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サンプル準備、装置較正、サンプル分析、および結果の計算の手順を指定します。

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分析リファレンス標準液

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較正標準液と CCV 標準液の準備に使用した、民間の薬品供給会社から購入した標準液。

ストック(標準)液」を参照してください。

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分析サンプル

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分析を実行する装置に導入されるあらゆる溶液/媒体。ただし、以下は除きます。ICV、ICB、CCV、CCB、チューン。
未希釈サンプル、希釈サンプル、マトリックススパイク サンプル、複製サンプル、連続希釈サンプル、分解後スパイクサンプル、干渉チェックサンプル(ICS)、ラボ制御サンプル(LCS)、性能評価(PE)サンプル、調整ブランクは、すべて分析サンプルとして定義されています。

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バックグラウンド補正

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微量元素の測定において変動するバックグラウンドの装置シグナルへの寄与を補正する手法。

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バッチ

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同じ場所で同じメソッドを使用して同じタイミングで準備される一連のサンプル。

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採用されているサンプリング手順やテスト手順の点でよく似た挙動を持ち、1 つの単位として処理される一連のサンプル。QC のために、グループ内のサンプル数が 20 を超えるときは、サンプル数が 20 以下になるグループに分けて、別々のバッチとして取り扱います。

バイアス

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測定値のマトリックス効果による既知のスパイク量からの偏差。
バイアスは、測定値と既知濃度のサンプルの許容リファレンス値を比較するか、またはサンプルにスパイクした既知量の汚染物質(マトリックススパイク)の回収率を測定することにより評価できます。

ブランク



 

-

注目する物質が無視できる程度または測定不能な量しか含まれていない分析サンプル。
ブランクは、特定の汚染源を評価するために設計されたものです。
ブランクのタイプには、較正ブランク、調整ブランク、およびフィールドブランクがあります。
ブランクの各タイプの個別の定義を参照してください。

較正ブランク」、「フィールド試薬ブランク(FRB)」、「ラボ試薬ブランク(LRB)」を参照してください。

較正ブランク」、「メソッドブランク」を参照してください。

較正

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特定の条件下で、測定する装置によって示された値と対応する既知の値の関係の下で確立される一連の操作。
較正標準液は、サンプル準備で使用したのと同じタイプの試薬または同じ濃度の酸を使用して調整しなければなりません。

較正標準液」を参照してください。

検量線」、「較正標準液」、「標準液検量線」を参照してください。
 

較正ブランク

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すべての試薬を含んでおり、分析サンプル準備で使用されたのと同じ濃度になっているブランク液(ICP-AES および ICP-MS のサンプル準備は非対象)。
較正ブランクは、装置のベースラインが安定していて、装置に汚染がないことを確認するために使用されます。

較正標準液に入っているのと同じ酸マトリックスで酸性にした試薬水の容量。
較正ブランクはゼロ標準液で、ICP 装置の較正に使用されます。

標準液およびサンプルと同じ量の酸またはその他の試薬で調整された試薬水の容量。

検量線

-

較正」、「較正標準液」、「初期較正」を参照してください。

較正標準液」を参照してください。

一連の較正標準液用に決定された分析レスポンスと分析対象である検体濃度の機能的な関係。
検量線は、分析レスポンスを濃度に対してプロットし、データの回帰分析を実行することにより得られます。

較正標準液





 

-

分析者が装置の較正(つまり、分析曲線の準備)のために使用する一連の既知の標準液。
溶液は、準備メソッドに従うこともあれば従わないこともありますが、分析対象のサンプル準備と同じマトリックスを含みます。

(CAL)標準原液の希釈液から調整される溶液。
CAL 溶液は、検体濃度に関する装置レスポンスの較正に使用されます。

分析者が装置較正(つまり、検量線の準備)に使用する、変化する既知濃度で分析対象の検体を含む一連の溶液。

連続較正ベリフィケーション

CCV

分析者が準備し、装置較正の時間に対する安定性と、サンプルの分析中の光学性能を確認するために使用される、単一パラメータまたは複数パラメータの標準液。
CCV は、較正標準液の 1 つとすることができます。
しかし、特定のシステムで測定されるすべてのパラメータがこの標準液で表されていなければならず、標準液はサンプルと同じマトリックス(つまり、同じ量の試薬および/または保存料)を含まなければなりません。
CCV は、較正範囲の中心値の濃度である必要があり、その日の最初のサンプルの分析より前に、および 2 時間おきに分析するものとします。

光学性能チェック(IPC)溶液」を参照してください。

較正標準液と同じソースから派生した検体を既知の濃度で含む溶液。
CCV は、各分析の実行中に較正の真度を保証するために使用されます。
特定の分析メソッドで記述されているとおりに各検体に対して実行する必要があります。
少なくとも、実行の開始時と最後の分析サンプルの後に分析する必要があります。
CCV の濃度は、検量線の中心値付近の範囲レベルでなくてはなりません。

カスタマー定量限界

CRQL

契約作業範囲記述書(SOW)の下で許容される最小量。

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コントロールリミット

-

指定された測定結果が準拠していると見なされるために収まっていなければならない範囲。

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コントロールサンプル

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-

システムの性能を監視するためにプロセスに導入される QC サンプル。

データ品質目標

DQO

-

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環境データから取得した結果の中で意思決定者が進んで受け入れる全体的な不確かさのレベルを表します。
データ品質目標は、精度、バイアス、検出限界などの品質測定とは質的に異なるものです。

データバリデーション




 

-

-

-

DQO に対して使用可能なデータを評価して、目標が達成されていることを確認するプロセス。
データバリデーションは、正確さ、または粗雑さが DQO に応じて変わることがあります。
確認される使用可能なデータには、分析結果、フィールド QC データ、ラボ QC データが含まれ、フィールドレコードも含まれることもあります。

日付

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レポートフォームの日付形式はすべて MM/DD/YYYY です。

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日付

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特に明記しない限り、日付はカレンダーでの日付となります。

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希釈テスト

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連続希釈(SD)」を参照してください。

検体濃度が十分高いとき(元の溶液で機器の検出下限の少なくとも 50 倍で、線形限界の 90% 未満)、1+4 希釈率の分析(5 倍希釈用の補正後)が元の測定の ±10% 以内に収まる必要があります。
そうならない場合は、化学的または物理的な干渉効果が疑われ、それに応じて関連データがフラグされます。
希釈テストに不合格になったサンプルについては、標準添加のメソッドまたは内標準元素の使用でより精度の高いデータが得られる可能性があります。

検体濃度が十分高いとき(希釈後の定量下限値の少なくとも 10 倍)、1:5 希釈率の分析が元の測定の ± 10% 以内に収まる必要があります。
そうならない場合は、化学的または物理的な干渉効果が疑われます。

複製

DUP

精度を評価するために元のサンプルと同じように処理されるサンプルの 2 つ目のアリコート。

ラボ複製(LD1 および LD2)」を参照してください。

マトリックス複製」を参照してください。

予測定量限界

EQL

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通常のラボ操作条件で作業していて精度リミットと真度リミットの指定された範囲内で高い信頼性で測定できる最も低い濃度。
EQL は、通常、MDL の 5 ~ 10 倍です。
しかし、データのレポートを簡単にするために、該当するガイドライン内で名目的に選択できます。
多くの検体に対して、EQL 検体濃度が検量線内の 0 ではない最も濃度の低い標準液として選択されます。
サンプルの EQL は、マトリックスに大きく依存します。

フィールドブランク

-

フィールドから提出され、ブランクとして識別される任意のサンプル。
フィールドブランクは、サンプル収集中、サンプルの出荷中、およびラボ内で、二次汚染のチェックに使用されます。
フィールドブランクには、トリップブランク、すすぎ液ブランク、ボトルブランク、機器ブランク、保存料ブランク、除染ブランクなどがあります。

フィールド試薬ブランク(FRB)」を参照してください。

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フィールド複製

-

フィールド QC」を参照してください。

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空間的および時間的に可能な限り同じポイントの近くで収集された独立したサンプル。
これらは、同じソースから取得された別々の 2 つのサンプルであり、別々のコンテナに保存され、独立して分析されます。
このような重複は、サンプリングプロセスの精度を記録する際に便利です。

フィールド QC

-

フィールドからラボに提供されたあらゆる品質管理(QC)サンプル。
例として、フィールドブランク、フィールド複製、フィールドスパイクなどがありますが、これらに限られるものではありません。

フィールド試薬ブランク(FRB)」を参照してください。

フィールド複製」を参照してください。

フィールド試薬ブランク

FRB

フィールドブランク」を参照してください。

ラボのサンプルコンテナ内に置かれており、あらゆる点(サンプリングサイトへの出荷、サンプリングサイトの状態への曝露、ストレージ、保存、およびあらゆる分析手順を含む)でサンプルとして扱われる試薬水またはその他のブランクマトリックスのアリコート。
FRB の目的は、フィールド環境にメソッドの検体があるかどうか、その他の干渉があるかどうかを特定することです。

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フィールドサンプル

-

分析するために受け取った、単独または複数のコンテナに入っており、一意の EPA サンプル番号によって識別される試料の一部分。

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独立標準液

-

請負業者が準備した、較正のための標準液に使用されるものとは異なるソースから得た検体で構成される標準液。

-

-

誘導結合プラズマ原子(発光)分光分析装置

ICP-AES/
ICP-OES

複数の元素を同時に、または順次測定する溶液内元素の測定法。
この手法の基本は、光学分光法による原子発光の測定です。
特性的原子線蛍光スペクトルは、高周波誘導結合プラズマでのサンプルの励起によって生成されます。
 

-

-

初期較正

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一連の異なる濃度の分析標準液の分析。装置の分析対象の検体に対する定量レスポンス、直線性、およびダイナミックレンジを設定するために使用されます。

較正標準液」を参照してください。

検量線」、「較正標準液」、「標準液検量線」を参照してください。

初期較正ベリフィケーション

ICV

較正標準液の準備に使用されたのとは別のソースから取得した標準原液、金属、または塩より準備された溶液。
ICV は、較正標準液の濃度と装置較正の妥当性の確認に使用されます。
EPA ICV 溶液が使用できない場合、ICV は、NIST またはその他の保証された標準液ソースまでトレーサブルでなければなりません。

光学性能チェック(IPC)溶液」(もしくは「QC サンプル(QCS)」)を参照してください。

初期較正の真度の確認に使用される、保証された溶液または較正標準液に使用されたのとは別のソースから独立して準備された溶液。
ICP 分析については、分析に使用される各波長で、検量線の中間点付近の濃度で、分析する必要があります。

機器の検出下限

IDL

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較正ブランクシグナルを同一波長において 10 回繰り返した測定の標準偏差の 3 倍に等しい検体シグナルに相当する濃度。

通常は、金属分析において、分析対象の検体に関する装置のノイズレベルとレスポンスの経時変化を評価するのに使用されます。
IDL は、1 日に 7 回の連続測定における試薬ブランク溶液の分析からの連続しない 3 日間で 3 回実行された分析の標準偏差の平均を計算することにより推定できます。
各測定を、別々の分析サンプルに対して行われたかのように実行する必要があります。
IDL は、少なくとも 3 か月に 1 度もしくはそのプロジェクト用に指定された頻度で求める必要があり、関連文書を装置日誌と一緒に保管します。

光学性能チェック溶液

IPC

-

メソッド検体の溶液。設定された一連のメソッド基準に対する装置システムの性能評価に使用されます。

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干渉チェックサンプル

ICS

干渉元素と検体元素の両方を既知の濃度で含んでいる溶液。バックグラウンド補正係数と元素間補正係数の確認に使用できます。
ICS は、以下の溶液で構成されます。ICS 溶液 A(ICSA)と ICS 溶液 AB(ICSAB)。

スペクトル干渉チェック(SIC)溶液」を参照してください。

干渉元素と検体元素の両方を既知の濃度で含んでいる溶液。金属 ICP および ICP-MS 分析でバックグラウンド補正係数と元素間補正係数の確認に使用できます。

干渉チェックサンプル溶液 A

ICSA

指定されたレベルの干渉物質のみで構成されます。

スペクトル干渉チェック(SIC)溶液」を参照してください。

干渉チェックサンプル(ICS)」を参照してください。

干渉チェックサンプル溶液 AB

ICSAB

指定されたレベルの干渉物質と混合された検体で構成されます。

スペクトル干渉チェック(SIC)溶液」を参照してください。

干渉チェックサンプル(ICS)」を参照してください。

干渉物質

-

分析対象の検体の分析に影響を及ぼす物質。

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-

内標準

-

調整後、分析前に既知の濃度でサンプルに添加される、検体ではない元素。
装置の内標準に対するレスポンスは、光学性能全体を評価する手段として監視されます。
 

サンプル、抽出、または標準液に既知の量で添加され、同じサンプルまたは溶液の成分である他のメソッド検体の相対レスポンスの測定に使用される純粋な検体。
内標準は、サンプルの成分ではない検体でなくてはなりません。

-

ラボコントロールサンプル

LCS

既知の濃度でスパイクされたマトリックス。
LCS は、受け取った EPA サンプルに採用されているのと同じサンプル準備、試薬、および分析メソッドを使用して分析されます。

ラボ強化ブランク(LFB)」を参照してください。

既知の濃度の検体でスパイクされ、サンプルと同じ準備手順および分析手順を通る試薬水の容量。
検体の損失/回収率を監視するために使用されます。
LCS は、較正標準液と同じソースから準備することも、または較正標準液とは別個に準備することもできます。
別個に準備する LCS は、保証されたリファレンス溶液として取得することも、保証されたリファレンス溶液から準備することも、保証された固体試薬から準備することも、較正標準液のソースと関連する代替固体試薬ロットから準備することもできます。
各分析バッチに対して、少なくとも 1 つの LCS を構成標準液と同じソースから準備する必要があります。
このようにすれば、LCS とマトリックススパイクの両方の回収率が許容範囲から外れていた場合に、分析者が、問題は較正誤差によるものなのかマトリックス干渉によるものなのかを見極めることができます。

ラボ複製

LD1 および LD2

複製(DUP)」を参照してください。

ラボで採取され、全く同じ手順で別々に分析された同じサンプルの 2 つのアリコート。
LD1 と LD2 の分析は、ラボの手順に関連した精度を示しますが、サンプル収集手順、保存手順またはストレージ手順には関連しません。

複製(DUP)」を参照してください。

ラボ強化ブランク

LFB

ラボコントロールサンプル(LCS)」を参照してください。

ラボ内で既知量のメソッド検体が添加された LRB のアリコート。
LFB はサンプルと全く同じように分析され、その目的は、その方法がコントロールされているかどうか、およびラボに正確で精度の高い測定を行う能力があるかどうかを判断することです。

ラボコントロールサンプル(LCS)」を参照してください。

ラボ強化サンプルマトリックス

LFM

マトリックススパイク(MS)」を参照してください。

ラボ内で既知量のメソッド検体が添加された環境サンプルのアリコート。
LFM は、サンプルと全く同じように分析され、その目的は、サンプルマトリックスが分析結果のバイアスに寄与しているかどうかを判断することです。
サンプルマトリックスに含まれる検体のバックグラウンド濃度を別のアリコート内で測定する必要があり、LFM での測定値をバックグラウンド濃度用に補正する必要があります。

マトリックススパイク(MS)」を参照してください。

ラボ試薬ブランク

LRB

調整ブランク(PB)」を参照してください。

他のサンプルと一緒に使用されるすべてのガラス製品、装置、溶媒、試薬、および内標準への曝露などでサンプルとまったく同じように処理される試薬水またはその他のブランクマトリックスのアリコート。
LRB は、ラボ環境内、試薬、または器具にメソッド検体またはその他の干渉があるかどうかを判断するのに使用されます。

メソッドブランク」を参照してください。

直線近似ダイナミックレンジ

LDR

-

検体に対する装置のレスポンスが線形になる濃度範囲。

1 点較正に基づく ICP-AES 分析および ICP-MS 分析のいずれにおいても、検体シグナルと検体濃度の間の機能的な関係が直線近似を保つ、最も高い較正ポイントより上の濃度範囲。
直線近似ダイナミックレンジ内に収まるサンプル結果は、有効であると見なされて報告でき、したがって、サンプルを希釈して再分析する必要性を回避できます。

定量下限

LLOQ

-

-

定量の最も低いポイント。ほとんどの場合、検量線の最も低いポイントです。定量下限は、かかるプロジェクト要件に基づく必要な日常的操作レベルと等しいか、それより低いポイントになります。
LLOQ 濃度レベルで準備された標準液を分析したり、LLOQ を最も低いポイントとして使用すると、メソッドの確立された定量感度を較正標準液で確認できます。
データのレポートの判定基準の有効性を検証するには、LLOQ 回収率が、実際の値の 50% 以内であるか、またはそのプロジェクト固有のデータ品質目標に基づいて相互に同意されたその他の決まった回収率である必要があります。

定量下限チェックサンプル

LLQC

-

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定量下限チェック(LLQC)サンプルは、必要な検出能力を実証するために、ラボのレポート下限を決定した後に分析し、その後も必要に応じて分析します。
理想的には、このチェックサンプルと低レベル較正ベリフィケーション標準液を同じ濃度で準備します。相違点は、LLQC サンプルは準備手順と分析手順全体を経ることです。
LLQC サンプル内のすべての検体がその実際の値の±30% の範囲内で検出される場合に、定量下限が検証されたものとします。
このチェックを定量下限の設定と確認の両方に使用する必要があります。

低レベル連続較正ベリフィケーション標準液

LLCCV

-

-

各分析バッチの最後に、低レベル連続較正ベリフィケーション(LLCCV)標準液も分析しなければなりません。
低レベルのサンプル濃度であるものと予想され、較正の下限でのシステム安定性が疑わしいときは、もっと頻繁に、たとえば 10 サンプルごとに LLCCV 分析を実行する必要がある可能性があります。
また、分析バッチの最後でのみ実行した場合に LLCCV が不合格になったときは、高い頻度で LLCCV を分析すると、再分析する試料数を最小化することができます。
LLCCV 標準液は、ラボでレポートされたとおりに確立された定量下限で、初期較正標準液と同じソースから作成する必要があります。
LLCCV 標準液の許容条件は、その実際の値の ±30% です。
較正がこの指定制限内で確認できないときは、影響を受ける検体が同じような濃度で含まれているサンプルの分析は、原因が特定されて LLCCV 標準液の分析が成功するまでは続行できません。
装置を再キャリブレーションするか、または定量下限を適合した LLCCV 分析が保証できる濃度に調整する必要がある可能性があります。
LLCCV 標準液の分析データは、サンプル分析データと一緒にファイルで保管してください。

低レベル初期較正ベリフィケーション標準液

LLICV

-

-

低レベル初期較正ベリフィケーション(LLICV)標準液は、較正標準液と同じソースを使用して、定量下限になると期待される濃度で準備する必要があります。
LLICV の推奨される許容条件は、その実際の値の ±30% です。
較正許容条件が満たされたら、最も低い較正標準液または LLICV 濃度のいずれかを使用して定量下限を実証することができます。サンプル結果は、この下限標準以下では定量できません。

マトリックス

-

分析するサンプルを構成する主要物質。
この作業明細書(SOW)の目的では、サンプルマトリックスが、水溶液/水、土壌/汚泥、またはワイプのいずれかです。
マトリックスは、 位相(液体または固体)のシノニムではありません。

-

分析対象の検体を含む成分または基質。

マトリックス複製

-

-

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与えられたサンプルマトリックスでメソッドの精度を記録するために使用されるラボ内でのサンプルの小分け。

マトリックス効果

-

特定のマトリックス組成によって生じる小さい元素スペクトルラインの強化または抑制。

-

-

マトリックススパイク

MS

回収率を測定することによってメソッドのそのマトリックスへの適合性を示すために、既知量の特定成分で強化(スパイク)された後、分析手順全体に従って処理されたサンプルのアリコート。

ラボ強化サンプルマトリックス(LFM)」を参照してください。

既知濃度の分析対象の検体でスパイクされたサンプルのアリコート。
スパイクは、サンプル準備と分析の前に実行されます。
与えられたサンプルマトリックスでのメソッドのバイアスを記録するために使用されます。

マトリックススパイク複製

MSD

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-

同じ濃度である分析対象の検体でスパイクされた、ラボ内でのサンプルの小分け。
スパイクは、サンプル準備と分析の前に実行されます。
与えられたサンプルマトリックスでのメソッドの精度とバイアスを記録するために使用されます。

メソッドブランク

-

調整ブランク」を参照してください。

ラボ試薬ブランク(LRB)」を参照してください。

すべての試薬がサンプルの準備に使用されたのと同じ容量または比率で追加されており、検体のないマトリックス。
メソッドブランクは、完全なサンプル準備手順を経なければならず、最終的な溶液内に分析に使用されたサンプル溶液と同じ酸濃度を含んでいなければなりません。
メソッドブランクは、分析手順から生じた汚染を記録するのに使用されます。

メソッド検出限界

MDL

サンプルが完全なメソッドで処理されたときに、99% の確率でブランクとは異なるシグナルを生成するターゲットパラメータの濃度。
サンプルの 7 回の繰り返しでは、平均値がブランクより 3.14s 高くなくてはなりません。ここで、「s」は 7 回の繰り返しの標準偏差です。

検体濃度が 0 よりも高いと 99% の信頼度で同定、測定、および、記録できる検体の最小濃度。

-

標準添加のメソッド

MSA

標準添加」を参照してください。

-

特定のマトリックスにおける検体のシグナルレスポンスが、試薬水の際と異なるときに採用される代替較正手順。
この手順は、通常、複雑なマトリックスの分析用に備えたものです。
標準添加法には、一連の繰り返しサンプルアリコートそれぞれに対する既知量の検体の添加が含まれます。
繰り返しサンプルの最終的な濃度は、メソッドの較正範囲全体に広がっている必要があります。
各繰り返しの分析レスポンス対標準添加濃度がプロットされます。
直線回帰を実行した後、曲線が x 軸へ外挿されます。
元の未スパイクの試料における検体濃度は、x 切片の逆数と等しくなります。
詳細については、メソッド 7000 を参照してください。

最適な濃度範囲

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-

-

金属分析での、それより下では規模拡大を使用しなければならず、それより上では曲線補正を検討しなければならない濃度範囲。
この範囲は、装置の感度および採用された動作条件で変わります。

パーセント差

%D

2 つの値の差をどちらかの値で割って 100 を掛けた値。

-

-

パーセント回収率

%R

サンプルに添加されて回収された検体または元素のパーセント。
スパイクされたサンプルで検出された濃度と元の(未スパイク)サンプルで検出された濃度の差をスパイクされたサンプルに添加された濃度で除算して 100 を乗算した値です。

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-

性能評価サンプル

PE

EPA にとっては組成が既知であるが、請負業者にとっては未知のサンプル。請負業者のパフォーマンス評価のために提供されます。

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分解後スパイク

PDS

マトリックス効果が結果のファクタになることがあるかどうかを調べるために検体スパイクを添加して金属分析用に準備したサンプル。
スパイク添加で、メソッドのレポートの判定基準を超える、メソッド固有の最小濃度を生成する必要があります。
分解後スパイクはサンプルの各バッチで分析され、各メソッドに対して回収率条件が指定されます。

検体添加テスト」を参照してください。

MS/MSD 回収率が許容できない値になったときは、MS/MSD アリコートの準備と同じサンプルも、分解後スパイクでスパイクする必要があります。
実施しないと、同じ準備で取得した他のサンプルを代替サンプルとして使用する必要があります。
検体スパイクを、準備したサンプルまたはその希釈液の一部に添加して、既知の値の 80% ~ 120% の範囲内で回収してください。
スパイク添加により、定量下限の最小 10 倍、最大 100 倍を作る必要があります。
このスパイクが不合格になった場合は、希釈テスト(9.9.2)をこのサンプルに対して実施する必要があります。
MS/MSD と分解後スパイクの両方が不合格になった場合は、マトリックス効果が確認されました。

精度

-

-

-

実際の値がわからないという前提における一連の繰り返し測定間での一致。
精度は、複製/繰り返し分析という手段で推定されます。
最もよく使用される精度の推定方法は、相対標準偏差(RSD)または変動係数(CV)です。

調整ブランク

PB

すべての試薬がサンプル処理で使用されたのと同じ容量または比率で追加されており、検体が含まれていないサンプル。
調整ブランクは、サンプル準備手順および分析手順全体を経なければなりません。
このブランクは、分析手順から生じた汚染を評価するのに使用されます。

ラボ試薬ブランク(LRB)」を参照してください。

メソッドブランク」を参照してください。

QC サンプル

QCS

-

濃度が既知で、LRB またはサンプルマトリックスのアリコートの強化に使用されるメソッド検体の溶液。
QCS は、ラボ外の、較正標準液のソースとは異なるソースから取得します。ラボまたは装置の光学性能のチェックに使用されます。

-

生データ

-

分析装置、天秤、ピペット、温度計などの何らかの測定機器から得られた、最初に記録された未処理の測定値。

-

-

試薬水

-

この水の純度は、仕様 D1193-06「試薬水の標準仕様」の ASTM タイプ II 試薬水と同等でなければなりません。

-

ASTM タイプ II の水の性能仕様を達成する何らかのメソッドにより生成された水。

リファレンスマテリアル

-

メソッドと装置の光学性能を検証するために使用される標準液。ICV、CCV、ICS などがあります。

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溶液内または均一なマトリックス内に既知量の検体を含んでいるマテリアル。
分析プロセスのバイアスを記録するために使用されます。

相対パーセント差

RPD

相対パーセント差は、2 つの値の平均に基づいており、絶対値として報告されます(つまり、常に正の値または 0 として表されます)。

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-

レポートデータ

-

レポートデータは、生の測定値から処理されたものです。レポートデータは、有効数字、小数点の位置など、特定のレポート要件を満たすように元の測定値から形式を変更されていることがあります。

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-

サンプル

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マテリアルの分析対象となる部分。単独または複数のコンテナに入っており、一意のサンプル番号によって識別されます。

-

-

サンプルデリバリグループ

SDG

 

デリバリ用のサンプルグループを識別するために使用されるサンプルケースに入れられるユニット。  SDG は、以下から最も頻度の高いもので定義されます。 

  • ケースに入れられたそれぞれ 20 検体のフィールドサンプル(性能評価(PE)サンプルを除く)

  • 7 日間ごと(7 日間のターンアラウンドに対して 3 日間)。この期間、ケースに入ったフィールドサンプルを受け取ります(この期間は、SDG 内の最初のサンプルの受け取りで開始します)。

  • 同じデリバリレベルでスケジュールされている全サンプル。

  • さらに、SDG に割り当てられているすべてのサンプルが、同じ契約ターンアラウンド期間の下でスケジュールされていなければなりません。  基本結果は、SDG の定義に対して何も影響しません。
    サンプルは、ラボが決定したマトリックスによって SDG に割り当てることができます。ラボでは、SDG 基準ごとに 20 サンプルが適合するように、あらゆる予防策を実施してください。

-

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感度

-

-

-

検体濃度の小さい差を区別する分析法または装置の能力(リファレンス 1)。
金属分析では、感度の測定に、以下の手法が一般によく採用されています。
(a) 原子吸光(AA):1% の透過を生み出す金属の濃度(mg/L)。
(b) 黒鉛炉 AA(GFAA):1 秒当たり 0.044 の吸光度をレスポンスとして与えるために必要な検体の質量。
(c) 誘導結合プラズマ(ICP):1 日に 7 回の連続測定における、連続しない 3 日間に実施した 3 回の試薬ブランク溶液分析の標準偏差の平均。

連続希釈

SD

サンプルの 5 倍希釈。
希釈サンプルは、希釈率で補正されたときに、元の希釈されていないサンプルと指定されたリミット内で一致しなければなりません。
連続希釈は、干渉の影響を反映していることがあります。

希釈テスト」を参照してください。

希釈テスト」を参照してください。

スペクトル干渉チェック溶液

SIC

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選択されたメソッド検体が高い濃度で含まれる溶液。定義済みの一連のメソッド基準に関して、既知の元素間スペクトル干渉を補正する手続きルーチンを評価するために使用されます。

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サンプルの小分け

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同じコンテナから取り出されたサンプルで、互いに独立して分析されるアリコート。
サンプルのアリコートが取得できないときは、マトリクス複製分析のためにフィールド複製サンプルを取得する必要があります。
これらは、通常、混合または堆肥化した後に取り出され、ラボ内またはラボ間の精度の記録に使用されます。

標準添加

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サンプルマトリックス内の検体に対する検出器の相対レスポンス測定を目的とした、サンプルへの既知量の検体の添加。
その後、相対レスポンスは、運用マトリックス効果またはサンプル検体濃度のいずれかの評価に使用されます。

分析の直前に既知量の検体をサンプルに添加すること。
通常は、干渉の評価に使用されます。

標準曲線

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較正」、「較正標準液」、「初期較正」を参照してください。

較正標準液」を参照してください。

検体への装置のレスポンスに対する、既知の検体標準液濃度のプロット。較正標準液を準備するには、標準液を連続的に希釈して、装置の測定範囲全体に対応する作業用標準液を作ります。  較正標準液の準備には、同じタイプの酸または溶媒を使用し、サンプル準備後にサンプル内で得られる濃度と同じ濃度にする必要があります。

ストック(標準)液

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希釈して他の標準液を派生させることができる標準液。

アッセイされたリファレンスマテリアルまたは定評のある販売元から購入したリファレンスマテリアルを使用してラボ内で準備した 1 つまたは複数のメソッド検体を含む濃縮溶液。

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分析対象物リスト

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別紙 C – 無機検体リストおよびカスタマー定量限界で指定されたとおりの無機検体(金属およびシアン化物)のリスト。

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時刻

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HH:mm:ss - あらゆるデリバリ項目について時刻の記録が要求されるとき、時刻は 24 時間形式(0000 ~ 2359)で表すものとします。

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関連項目: