QC テストを伴うメソッドの設定と実行

[QC]ページでは、メソッドに含める QC(品質管理)テストを選択して、測定中に分析データの品質を監視できるようにします。一連のテストは、EPA(米国環境保護庁)の Contract Laboratory Program(指定分析機関向けプログラム)の要件を満たし、なおかつ優れたラボの慣行に関する多数の国際規格を満たすように設計されています。

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このページでは、下記の項目に関する情報を提供します。

QC テストを伴うメソッドの設定

USP <232/233> および ICH Q3D 要件に対応した拡張 QC 分析または拡張 QC を設定する方法の詳細については、ここをクリックしてください

QC テストを実行するメソッドをセットアップするには、次のように操作します。

  1. [開始]ページで[ファイル] > [新規作成] > [定量]をクリックするか、メニューバーの[ファイル] > [新規作成]をクリックします。
  2. [設定]ページで[QC を有効にする]を選択します。
  3. [元素]ページで元素を選択します。
  4. [条件]ページで分析条件を選択します。
  5. [標準液] ページで使用する標準液の情報を入力します。
  6. [QC]ページをクリックします。
  7. ドロップダウンメニューから QC タイプを選択し、[追加]をクリックします。
  8. (オプション)QC テストの名前を変更するには(テスト自体は同じまま)、変更する QC 名列のセルをクリックし、新しい名前を入力します。
  9. ドロップダウンメニューから選択した各 QC テストのエラーアクションを選択します。
  10. QC タイプ行をハイライトすることにより、QC タイプのテストを選択します。
  11. (オプション)QC テストの定義を編集します
  12. QC タイプテーブルの右側に表示されている、テーブル上の必須情報を入力します。
  13. [シーケンス]ページをクリックします。
  14. 試料数を入力します。
  15. 必要に応じて、オートサンプラのラック/チューブの位置を編集します。
  16. 必要に応じて、標準液とサンプルの名前を変更します。
  17. QC テストをマニュアルで追加するか、またはレート駆動 QC テストを作成します。
    1. QC テストをマニュアルで追加するには、[溶液タイプ]フィールド内の必要な場所をクリックしてから QC テストを選択します。ICP Expert Pro があれば、QC テストをテストリストからシーケンスにドラッグアンドドロップすることもできます。
    2. レート駆動 QC テストを作成するには(ICP Expert Pro でのみ可能)、QC テスト(複数可)をシーケンスまでドラッグアンドドロップします。[環境設定]ウィンドウが表示され、シーケンス内での場所や、それがレート駆動 QC なのか 1 度だけ発生するものなのかを選択できます。レート駆動 QC についての詳細をご紹介します。
  18. ラック内およびチューブ内の溶液が[オートサンプラ]ページで示されているとおりの正しい場所にあることを確認します。
  19. 分析を開始します。

QC テストの順序の設定

QC テストを設定する際には、テストが合否判定基準と矛盾のない順序で実行されることが重要です。たとえば、初期較正ベリフィケーション(ICV)は、分析の開始時のどのサンプルの分析よりも前に実行する必要があり、一方で調整ブランクは最初のサンプルの直前で以降のどのサンプルグループよりも前に実行する必要があります。これらのテストの順序を変更することはできますが、QC テストを設定する際には、次の表で概説する順序に従うことを推奨します。

US EPA は、実行するどの分析にも下に挙げるすべてのテストを含める(そして繰り返す)ことを要求しています。テンプレートが USEPA メソッド 200.7 および ISM02.1 プロトコル用に用意されています。これらの規制要件に従う必要がなければ、どのテストも省くことができますが、順序の概略は保持することをお勧めします。

  • 下の概略は、10 サンプルごとの再較正レートに基づいています。
  • ブランクと標準液は QC テストではありませんが、いつ較正が発生するかを示すために含められています。

QC スパイクテスト、マトリックススパイク テスト、マトリックススパイク複製テスト、連続希釈テスト、および複製テストは、サンプルの後にしか置けません。

QC テストとサンプルの順序

ブランク*

標準液*

初期較正ベリフィケーション(ICV)

初期較正ブランク(ICB)

カスタマー定量限界標準(CRS)

干渉チェック溶液 A(ICSA)

干渉チェック溶液 AB(ICSAB)

ラボコントロールサンプル(LCS)

調整ブランク(PBLK)

サンプル 1

サンプル 1 複製(DUP)

サンプル 2

マトリックススパイク(MSPK)

サンプル 3

QC スパイク(QCSPK)

サンプル 4

サンプル 4 連続希釈(SER)

ブランク*

標準液*

連続較正ベリフィケーション(CCV)

連続較正ブランク(CCB)

調整ブランク**(PBLK)

サンプル 5

サンプル 5 複製**(DUP)

サンプル 6

マトリックススパイク**(MSPK)

サンプル 7

QC スパイク**(QCSPK)

サンプル 8

サンプル 8 連続希釈**(SER)

サンプル 9

ブランク*

標準液*

連続較正ベリフィケーション(CCV)

連続較正ブランク(CCB)

調整ブランク(PBLK)

サンプル 10 など…
つまり、サンプル 5 で開始したサイクルを続行

*ブランクおよび標準液は、自動的に[分析]ページに入力されます。その周期は、[シーケンス]ページで決定されます。

**これらのテストは、単なる例としてこの頻度で示されており、通常は 20 サンプルごとに実行されます。

QC テストシーケンスの設定のためのヒント

ここでは、QC テストシーケンスを設定する際に役立つ、いくつかのヒントを紹介します。

  • 「サンプルに関連した」テスト(調整ブランク、複製、スパイクなど)の多くは、シーケンスの開始時に設定します。シーケンスの開始時に設定することにより、装置やサンプル準備、分析較正が制御されていないときに、サンプル分析で時間を無駄に使うことを回避できます。
  • シーケンス開始時の QC テストに対しては、エラーアクションを[停止]に設定します。シーケンスの開始時に明白なエラーがあれば、その原因を突き止めてエラーを修正してください。
  • 装置を定期的に再較正しなくても、レート駆動の連続較正ベリフィケーション(CCV)テストは、自動化されたシーケンスの実行中に装置の性能を監視するシンプルで便利なテストです。分析中に最も高いレベルの信頼度を得られるように、エラーアクションは[再検量して試料から繰り返し]に設定します。較正後 CCV を使用すれば、CCV テストに不合格だったときに、挿入された CCV で再較正を行ってから、サンプルを再分析できます。サンプルの再分析が終わった後にも CCV が再計測され、合格した CCV テストで効果的にサンプルをブラケットできます。
  • CCV のような溶液を使用して装置の性能を監視すると、時間と再分析するサンプル数の節約にもなります。[再検量して試料から繰り返し]エラーアクションを設定すると、前回成功した CCV までのサンプルのみが分析されます。

エラーアクションについて

QC が不合格になったときに適用するエラーアクションを[QC]ページで選択します。

サンプルの新しいインスタンスは、元のラベルが維持され、その末尾に「REPEAT」が付加されます。

選択できるエラーアクションには、以下の 6 つがあります。

  • [停止]は、QC が不合格になると分析を停止します。
  • [フラグして継続]は、不合格になった QC をフラグした後、分析を継続します(これがデフォルトオプションです)。
  • [再検量して試料から繰り返し]は、不合格になった QC テストを以下のように挿入します。
    1. 較正(較正の後に自動的に挿入されたすべての QC テストを含む)。
    2. 不合格になった QC テスト(前述の挿入された QC テストに含まれていない場合)。
    3. 前回成功した QC テスト以降に分析されたすべてのサンプル。
    • 2 度目も不合格になった場合は、分析は停止されます。
  • [再検量して繰り返し] は、以前に分析されたサンプルは一切再実行しないという点以外は、[再検量して試料から繰り返し]と同じです。リキャリブレーションが終わったら、直ちに QC を再度テストします。2 度目も QC が不合格になった場合、分析は停止されます。
  • [フラグ後再測定して継続]は、不合格になった個々の QC 溶液をフラグしてから、不合格になった QC 溶液を繰り返すか、または不合格になった溶液がブロックの一部だった場合は QC レートブロック全体を繰り返します。 
    • サンプルと対になった QC 溶液が不合格になったときは、QC と対になっていたサンプルも不合格になった QC 溶液またはレートブロックと一緒に繰り返されます。
    • 新しいインスタンスが合格したときは、分析が通常通り継続されます。新しいインスタンスが不合格になったときは、新しい QC 溶液がフラグされ、分析は通常通り継続されます。
  • [再測定して停止]は、不合格になった個々の QC 溶液をフラグしてから、不合格になった QC 溶液を繰り返すか、または不合格になった溶液がブロックの一部だった場合は QC レートブロック全体を繰り返します。
    • サンプルと対になった QC 溶液が不合格になったときは、QC と対になっていたサンプルも不合格になった QC 溶液またはレートブロックと一緒に繰り返されます。
    • 新しいインスタンスが合格したときは、分析が通常通り継続されます。新しいインスタンスが不合格になったときは、新しい QC 溶液がフラグされ、分析は停止されます。

関連項目: