QC テスト定義の編集

QC 溶液を添加した後、具体的なニーズに合わせて QC 定義を編集できます。

独自のレポート値を定義して、定義済みである任意のテストの要件を渡します。編集したテスト定義は、ワークシートと一緒に保存され、元のテストは変更されないまま残されます。

QC テストの定義を編集するには、次のように操作します。

  1. 必要な QC テストを追加します

同じテストを複数追加できます。ICP Expert によりテスト名がインクリメントされます。

  1. [QC 名]フィールドで QC テストの名前を変更します(オプション)。
  2. [レポート値]フィールドをクリックして、式を編集します。
  3. [合格基準]フィールドをクリックして、式を編集します。
  4. [リミット]テーブルで、合否判定条件を編集します。

[レポート値]フィールドおよび[テスト合格条件]フィールドを右クリックすると、使用できる名前および数値演算子のリストが表示されます。

編集中の式が実行可能でないときは、式フィールドの左側に赤色の感嘆符マーク ! が表示されます。

[リミット]テーブルで以下のどれかが変更されると、ICP Expert ソフトウェアによって QC テスト結果が自動的に再計算されます。

  • QC テスト上限と下限
  • パーセント差
  • 濃度リミット
  • QC テストの繰り返しや QC テストに関係のあるサンプルの編集
  • 小数点以下の桁数の変更

デフォルト QC テスト定義とは

式の編集について

式フィールドのどれかを右クリックすると、そのフィールドで使用できるキーワードと演算子のリストが入ったコンテキストメニューが表示されます。

不合格フラグは編集できません。

[リミット]テーブルは、現在選択されている QC 溶液に適用され、以下の 2 通りの方法で編集できます。

  • 検体の波長ラベルの左側にあるチェックボックスを選択または選択解除して、QC テストをその波長に適用するかどうかを選択します。下の画像で赤色の楕円で示したチェックボックス。
  • 検体の波長ラベルの右側に表示されている列に適切な値を入力します(表示される列の数とタイプは、使用する式および QC テストに応じて変わります)。リミット列が QC 式で参照されるときは、テーブルに適切なデータを入力する必要があります。入力されていないと、式の評価がエラーになることがあります。ワークシートの分析中に評価エラーが発生すると、ワークシートの[分析]ページに「S」フラグが上がります。

必要に応じて、[検出限界]テーブルに適切な MDL および CRQL データを入力できます。これらの値は、どの QC テストでも使用できます。これらの列のどれかが QC テストで参照されるときは、適切な値を入力する必要があります。入力されていないと、QC 式の評価がエラーになることがあります。ワークシートの分析中に評価エラーが発生すると、ワークシートの[分析]ページに「S」フラグが上がります。下図を参照してください。


[レポート値]テーブルと[検出限界]テーブルでの編集を示す CCB テスト

式の編集

レポート値とテスト合格条件は、両方とも編集可能です。

式は、以下の「BODMAS」優先順位ルールに従って評価されます。

B

かっこで囲まれた値/演算子が評価されます。例:2*(1+2)=6

O

次数(指数、乗数とも呼ばれる)が評価されます。例:2*22=8

DM

除算と乗算(同じ優先順位)が左から右への順序で評価されます。例:2*3/2=3

AS

加算と減算(同じ優先順位)が左から右への順序で評価されます。例:1-2+3=2

 

左から右へと評価されます。

次の比較、a < b < c では、値 b がリミット a と c に対して評価されます。式フィールド内で比較がこのように組み立てられていると、構文エラーとなります。同じ結果を達成するには、a < b と b < c という構文を使用する必要があります。

テスト合格条件式の中で論理演算子を使用すると、常に左から右へ評価されます。オペランド(関数と論理演算子の左および右にある値)は、論理テストを評価する前に、上記 BODMAS ルールに従って評価されます。たとえば、(1+2)*3 > 1/2*3 は、整理すると 9 > 1.5 となり、真であると評価されます。

レポート値

レポート値の式を編集して、テスト合格条件式で使用する適切な値を計算できます。式は、リミットテーブルの「チェックされた」元素波長それぞれに対して評価されます。

式は、数値に評価されなければなりません。すべての数値演算子と関数(+、-、*、/、abs)および数字が使用できます。論理演算子(and、or、not、>、<、>=、=<、<>)は使用できません。

多数のキーワードを使用して、[リミット]テーブル、[検出限界]テーブル、サンプル濃度測定値、サンプル濃度測定値 RSD、サンプル強度測定値 RSD の値を参照することもできます。詳細については、キーワードサマリーを参照してください。

式の評価がエラーになると、式フィールドの左側に赤色の感嘆符マークが表示されます。感嘆符マークにマウスポインタを重ねると、評価エラーに関するヒントテキストが表示されます。ワークシートの分析中に評価エラーが発生すると、ワークシートの[分析]ページに「S」フラグが上がります。

式を編集すると、式フィールドの右側に「反転矢印」が表示されます。この矢印をクリックすると、式がその「デフォルト」値に戻されます。

合格基準

合格基準式を編集して、特定の条件に対して QC 溶液結果を評価できます。式は、リミットテーブルの「チェックされた」元素波長それぞれに対して評価されます。

式は真または偽に評価されなければならず、数値演算子と関数(+、-、*、/、abs)および論理演算子(and、or、not、>、<、>=、=<、<>)がすべて使用できます。

多数のキーワードを使用して、[リミット]テーブル、[検出限界]テーブル、サンプル濃度測定値、サンプル濃度測定値 RSD、サンプル強度測定値 RSD の値を参照することもできます。詳細については、キーワードサマリーを参照してください。

式の評価がエラーになると、式フィールドの左側に赤色の感嘆符マークが表示されます。感嘆符マークにマウスポインタを重ねると、評価エラーに関するヒントテキストが表示されます。ワークシートの分析中に評価エラーが発生すると、ワークシートの[分析]ページに「S」フラグが上がります。

式を編集すると、式フィールドの右側に「反転矢印」が表示されます。この矢印をクリックすると、式がその「デフォルト」値に戻されます。

[リミット]テーブル

選択されている QC 溶液とその溶液に定義されている式のタイプに応じて、異なる列が表示されます。

MDL または CRQL リミットしか参照できないブランクテストの場合は、チェックボックスの列と元素波長ラベルだけが表示されます。

QC 溶液タイプが変わると、[設定濃度]列、[下限]列、[上限]列、[差]列が何らかの組み合わせで表示されます。

リミットテーブルフィールド([設定濃度]、[下限]、[上限]、または[差])のどれかが、選択されている QC 溶液の QC 式内で参照されてから、その列がその溶液の[リミット]テーブル内に表示されるようになります。

キーワードサマリー

QC 式で使用されるキーワードは、大まかに以下のカテゴリに分類できます。

変数

これらのキーワードを使用すると、現在の QC 溶液の測定されたワークシートデータが返されます。かっこで囲んで使って、他の溶液を参照すると(下記参照)、参照された溶液の測定されたワークシートデータが返されます。

変数

説明

IntRSD

繰り返しの強度測定の %RSD を返します。RSD は、パーセンテージとしては返されません。例えば、5%RSD は 5 の値(0.05 ではなく)を返します。

ConcRSD

繰り返しの濃度測定の %RSD を返します。RSD は、パーセンテージとしては返されません。例えば、5%RSD は 5 の値(0.05 ではなく)を返します。

MeasuredConc

質量、容量、および希釈倍率の補正が適用された後の測定濃度を(表示されている単位で)返します。つまり、[分析]ページに表示されているとおりの濃度を返します。

溶液リファレンス

これらのキーワードは、上記変数キーワードの 1 つと組み合わせて使用する必要があります。たとえば、MeasuredConc(PreviousSample)、IntRSD(CCV)、ConcRSD(DUP) のように使用します。使用できる溶液リファレンスは、ワークシート内で使用できる QC 溶液に応じて変わります。特定の QC 溶液タイプのリファンレスは、シーケンス内でのそのタイプの 1 つ前の溶液(選択されている QC 溶液の 1 つ前)を指します。

溶液リファレンス

説明

CCB

1 つ前の連続較正ブランク溶液のリファレンスを返します。

CCV

1 つ前の連続較正ベリフィケーション溶液のリファレンスを返します。

CRS

ICP の 1 つ前の CRQL/CRDL 溶液のリファレンスを返します。

DUP

1 つ前の複製溶液のリファレンスを返します。

ICB

1 つ前の初期較正ブランク溶液のリファレンスを返します。

ICSA

1 つ前の ICSA 溶液のリファレンスを返します。

ICV

1 つ前の初期較正ベリフィケーションのリファレンスを返します。

LCS

1 つ前のラボコントロールサンプルのリファレンスを返します。

MSD

1 つ前のマトリックススパイク複製溶液のリファレンスを返します。

MSPK

1 つ前のマトリックススパイク溶液のリファレンスを返します。

PBLK

1 つ前の調整ブランク溶液のリファレンスを返します。

QCSPK

1 つ前の QC スパイク溶液のリファレンスを返します。

SER

1 つ前の連続希釈溶液のリファレンスを返します。

PreviousSolution

1 つ前の溶液(QC/較正溶液を含む)のリファレンスを返します。

PreviousSample

1 つ前のサンプル溶液(QC/較正溶液以外)のリファレンスを返します。

定数

以下のキーワードは、レポート値式から得た値、[リミット]テーブルに入力されたデータ、または[検出限界]テーブルに入力されたデータを返します。

定数

説明

MDL

MDL テーブルに入力された値を返します。

CRQL

CRQL テーブルに入力された値を返します。

DefinedConc

[リミット]テーブルの[設定濃度]列の値を返します。

LowerLimit

[リミット]テーブルの[下限]列の値を返します。

UpperLimit

[リミット]テーブルの[上限]列の値を返します。

PercentDiff

[リミット]テーブルの[差]列の値を返します。

ReportValue

レポート値の式から計算された値を返します。

演算子と関数

以下のキーワードは、数値演算および論理比較演算の実行に使用されます。

演算子

名前

説明

+

加算(和)

数値演算子。2 つの数値を加算します。

-

減算(差)

数値演算子。1 つの数値を他の数値から減算します。

*

乗算(積)

数値演算子。1 つの数値に他の数値を乗算します。

=

と等しい

論理演算子。2 つの項が等しいかどうか比較します。例:1=1 は真

/

除算(商)

数値演算子。1 つの数値で他の数値を除算します。

()

囲むかっこ

数値/論理演算子。数値または論路演算を囲んで、それが他の演算より先に評価されるようにします。

abs

絶対値(正の値)

数値関数。数値または関数の正の値を返します。

<> 

と等しくない

論理演算子。2 つの項が等しくないか比較します。例:1<>1 は偽

より大きい

論理演算子。2 つの項の大きさを比較します。例:1>2 は偽

より小さい

論理演算子。2 つの項の大きさを比較します。例:1<2 は真

>=

以上

論理演算子。2 つの項の等しさおよび大きさを比較します。例:1>=1 は真

<=

以下

論理演算子。2 つの項の等しさおよび大きさを比較します。例:2<=1 は偽

not

否定

論理演算子。続く項目を否定します。例:not True は偽

and

論理積

論理演算子。2 つの論理比較を結合します。真と評価されるには、その両方が真でなくてはなりません。例:1>2 and 1<2 は偽と評価されます。

or

論理和

論理演算子。2 つの論理比較を結合します。片方が真であれば、真と評価されます。例:1>2 or 1<2 は真と評価されます。

関連項目: