トーチ過熱

サンプルの存在や最近の分析が原因ではなく、トーチのいずれかの部分に黄色またはオレンジ色の着色が観察されるときは、トーチが過熱されています。直ちにプラズマを切ってください

プラズマに予期しない赤色または黄色の着色が現れるとき、またはトーチが目に見えて溶けているときは、直ちにプラズマをオフにしてください。

トーチの外側チューブに何らかの変色が現れたら、直ちにトーチのクリーニング手順を実施します

装置の損傷を防止するため、トーチが損傷しているときは使用しないでください。

トーチが損傷していないこと、また ICP-OES に正しく挿入されていることをチェックします。トーチの正しい位置については、装置の較正方法を参照してください。

アルゴンがネブライザーからスプレーチャンバとトーチに流れていることを確認します。

ネブライザーガスチューブによじれがないかチェックし、必要に応じてチューブを交換します。

アルゴンソースから十分なガス流量が得られているかチェックします。RF パワーとプラズマガス流量の設定をチェックします。RF パワーが高い状態でプラズマガス流量を少なくして使用すると、トーチの過熱が発生します。プラズマガス流量を増やすか、RF パワーを下げます。

トーチ内でプラズマの位置が低過ぎたり、プラズマがトーチ内に不均一に分散していたりすると、トーチが損傷するおそれがあります。これが観察された場合は、トーチを交換し、サンプル導入コンパートメントを点検し、ガス流量が正しいことを確認します。詳細については、下記を参照してください。

プラズマは、次に示すように複数のゾーンで構成されます。

ICP-OES プラズマの各ゾーン

  1. プラズマテール - イットリウム溶液で赤色になり、ナトリウム溶液で黄色になります。プラズマテールは NAZ を超えて広がり、NAZ よりも低温です。プラズマは、トーチ内で中心に配置されており、対称になっている必要があります。
  2. 標準分析ゾーン(NAZ)- ほとんどの元素が最も高い強度で放射する場所。この領域は、イットリウム溶液では青色になり、ナトリウム溶液ではほぼ無色になります。
  3. 誘導ゾーン - 誘導コイルからのエネルギーがプラズマにカップリングされる場所。