アドバンスドバルブシステム(AVS 6 および AVS 7)

このページでは、以下の情報を提供します。

安全情報、およびアクセサリの取り付けの準備については、アクセサリに付属の手順書を参照してください。

AVS 6/7 アクセサリについて

AVS 6 および AVS 7 は、サンプルのスループットを向上させて、ターンアラウンド時間と運用コストを削減します。本スイッチングバルブは、Agilent ICP-OES に取り付けるバルブであり、スペクトロメータのペリスタルティックポンプとネブライザーの間に接続されます。サンプルが素早くサンプルループにロードされ、直ちに ICP-OES で分析できる状態になって、サンプル取り込み遅延が大幅に削減されます。サンプルラインを先行リンスすることで、分析時間が短縮できます。AVS 7 は、バルブ内の内部ティーも特徴としています。これにより、デッドボリュームが減り、内標準液およびイオン化緩衝液をオンライン追加できるようになります。サンプルがループ内に導入された後、バブルインジェクタによって自動的にバブルが注入され、サンプルがリンス溶液やキャリア溶液から隔離されます。これにより、テーリング(または希釈)効果が最小化されるため、測定に必要なサンプル量が少なくなります。

AVS 7 が取り付けられた Agilent ICP-OES

取り付けの手順

スイッチングバルブに付属の取り付け手順書を参照してください。

ここでは、以下のメンテナンス手順を説明します。

AVS 6/7 の使用

AVS 6/7 を使用してメソッドを作成し、実行するには、次の操作を行います。

  1. ICP Expert を開きます。
  2. 新規ワークシートを作成します(または既存のワークシートを開きます)。
  3. [設定]ページで AVS 6/7 を有効にします。
  4. スイッチングバルブのコンポーネント(チューブ、ロータなど)を交換した場合は、ブランクと波長較正溶液を使用してアドバンスドバルブシステム テストを実行して、%RSD が 2% 未満であることを確認します。
    • RSD が 2% 以上の場合、装置の精度をトラブルシューティングしてください。
  5. 分析速度を最適化します。
  6. メソッド作成」ページのステップに従って操作します。この際、必ず[条件]ページで AVS 6/7 用に最適化されたパラメータを入力してください。

必要に応じて、[装置]ウィンドウにアクセスして、AVS 6/7 をマニュアル制御します。

LED の動作

状態

条件

LED

OK - バルブが注入位置にある

通信はアクティブで、モーターはアイドルまたは移動中です。

OK - バルブが導入位置にある

通信はアクティブで、モーターはアイドルまたは移動中です。

警告

ICP-OES 装置のその他の部分との通信がありません。それ以外は正常です。

エラー

ファームウェアを起動できません。PCA でエラーが検出されました。

バルブダイアグラム

AVS 6 バルブと AVS 7 バルブは、AVS 7 が内標準液用にセンターポートを備えている点以外は全く同じです。

以下のすべての図で、チューブの色は次のようになっています。

内標準 リンス/キャリア溶液
サンプル溶液 アルゴン
スタンバイ/分析開始

バルブは、取り込み位置になっています。

サンプルの取り込み

 

バルブは、取り込み位置になっています。

A. AVS ポンプがリンス溶液をサンプルループに引き込む

B. リンス溶液がオートサンプラに引き込まれる

C. ネブライザー洗浄のために、リンス/キャリア溶液がペリスタルティックポンプによってネブライザーに送られる

D. 内標準液(AVS 7 のみ)がペリスタルティックポンプによって送られる

E. アルゴンがオフになる

F. サンプルループ

G. リンス/キャリア溶液がペリスタルティックポンプによってネブライザーに送られる

A. AVS ポンプがサンプルをサンプルループに引き込む

B. サンプルがオートサンプラに引き込まれる

C. ネブライザー洗浄のために、リンス/キャリア溶液がペリスタルティックポンプによってネブライザーに送られる

D. 内標準液(AVS 7 のみ)がペリスタルティックポンプによって送られる

E. アルゴンがオフになる

F. サンプルループ

G. リンス/キャリア溶液がペリスタルティックポンプによってネブライザーに送られる

安定化中/測定

バルブは、注入位置になっています。

 

測定後/リンス

バルブは、取り込み位置になっています。

A. オートサンプラがリンス位置に移動し、AVS ポンプがラインを通じてリンス溶液を引き込んで、ラインを洗浄する

B. リンス溶液がオートサンプラから引き込まれて、ラインを洗浄する

C. サンプルがペリスタルティックポンプによってサンプルループからネブライザーへ送られる

D. 内標準液(AVS 7 のみ)がペリスタルティックポンプによって送られる

E. サンプルがリンス/キャリア溶液と混合するのをバブルインジェクタから導入されたアルゴンが防ぐ

F. サンプルループ

G. ペリスタルティックポンプによって送液されたリンス/キャリア溶液が、サンプル溶液をループからネブライザーへと押し出す

A. AVS ポンプがリンス溶液を引き込んでラインを洗浄する

B. リンス溶液がオートサンプラから引き込まれて、ラインを洗浄する

C. ネブライザー洗浄のために、リンス溶液がペリスタルティックポンプによってネブライザーに送られる

D. 内標準液(AVS 7 のみ)がペリスタルティックポンプによって送られる

E. アルゴンがオフになる

F. サンプルループ

G. ペリスタルティックポンプがリンス/キャリア溶液をネブライザーに送って、ネブライザーを洗浄する

スイッチングバルブのマニュアル制御

[装置]ウィンドウを開きます。[ステータス]ウィンドウで、バルブ位置を選択し、AVS ポンプの速度を指定し、バブルインジェクタをオンまたはオフにします。

これは、バルブがスイッチング位置かどうかを確認する必要がある場合に便利です。

リセット

[リセット]ボタンは、バルブ位置をリセットします。

関連項目: