[装置]ウィンドウ - [テスト]
[装置]ウィンドウの左側のナビゲーションパネルで[テスト]をクリックすると、[テスト]タブにアクセスできます。[テスト]タブでは、装置の基本機能をチェックする装置テストを実行できます。
装置の有効性を確認し、装置のエラーモードを特定するには、以下の一連のテストを実行することが重要です。水、ガス、排気システム、サンプル導入のセットアップなど、装置のセットアップに失敗すると、高い頻度で光学性能の低下や装置の故障の原因となります。
以下の一連のテストを実行する前に、すべてのユーティリティ(ガス、水、排気など)が接続されており、調整済みであることを確認してください。サンプル導入が正しくセットアップされていることを、テスト実行前に確認してください。実行するテストの多くで、プラズマがオフになっている必要があります。光学系テスト、アドバンスドバルブシステムテスト、および光学性能テストの実行中に、装置によりプラズマが点火されます。
実行するテストの隣にあるチェックボックスを選択してください。どのテストを実行すればよいかわからないときは、すべてのテストを選択してください。すべてのテストを一通り実行するには、約 5 分間かかります。カメラテストは、テスト中にエラーの修正を試みたときは、最大 30 分間かかることがあります。一部のテストでは、ICP-OES 波長較正溶液とリンス溶液が必要です。
テストの実行中に、進行状況に関する情報がレポートウィンドウに表示されます。
テスト
アドバンスド希釈システム 2(ADS 2)テストについてはこちらをクリックしてください。
以下に示すテストが実行できます。
- サブシステムの通信テスト — サブシステムの通信テストは、装置のサブモジュールと制御モジュールの間の通信をチェックし、通信が失敗したときや未接続であるときに報告します。繰り返し不合格となるときは、通常、サービスコールが必要です。
- 空気流量 — 空気流量テストは、吸気口から排気口へと装置を通過する空気の流量をチェックします。空気流量に影響する可能性があるものには、以下のものがあります。
- 冷却水流量 — 冷却水流量テストは、カメラおよび RF の冷却チャンネルを通過する冷却水流量が正しいか、また、冷却水注入口温度が正しいかをチェックします。このテストで不合格となるときに、考えられる原因は以下のとおりです。
- ガス流量 — ガス流量テストは、プラズマガスと光学系パージガスのガス流量をチェックして、流量が正しく設定できていること、およびゼロのときも含めて全範囲の流量が使用可能かどうかを確認します。このテストで不合格となるときに、考えられる原因は以下のとおりです。
- RF ジェネレータ — RF ジェネレータテストは、RF ジェネレータをチェックして、プラズマを起こして維持するのに必要な電圧、周波数、および電流が生成できることを確認します。このテストで不合格となるときに、考えられる原因は以下のとおりです。
プラズマが点火されるまでに複数回プラズマ点火を試みる必要がある装置では、このテストで不合格となることがあります。プラズマが点火できる限り、サービスコールに問い合わせる必要はありません。
- カメラテスト — カメラテストは、カメラシステムをチェックして、すべての CCD が機能することを確認します。テストは、CCD の全ピクセルを照射できる組み込みの光源(LED)を使用します。テストでは、光なしでのピクセル性能(ダークレベル)と完全な輝度でのピクセル性能が測定され、配列全体の標準偏差と直線性がレポートされます。また、カメラテストでは、カメラのレンズに結露が発生していないか調べることができます。結露が発生すると、結露を除去するための洗浄プロセス(カメラの冷却がオフになった状態でのスーパー起動パージ)が実行されます。カメラテストで不合格となるときに、考えられる原因は以下のとおりです。
- 暗電流またはエレクトロニクスゼロオフセットの失敗
- カメラの較正が必要
- カメラまたはカメラのボードの故障
- ピクセル/DLA SD または直線性テストに不合格
- カメラのレンズ上の結露
- カメラまたはカメラのボードの故障
光学性能テストには合格するのにカメラテストで不合格になる場合は、カメラの故障が原因ではない可能性があります。
- 光学系テスト — 光学系テストは、ドライプラズマで装置の光学系をチェックします(サンプル導入なし)。装置は、プラズマからの特定のアルゴンピークと強度を探し、アキシャル値とラディアル値の両方(装置モデルに応じて)を比較して、プレ光学系とポリクロメーター光学系の両方を検証します。考えられるエラーモードは以下のとおりです。
- アキシャル/ラディアル強度が低すぎる
- 汚染されているウィンドウがある
- プレ光学系の位置合わせの失敗
- シャッター閉値が高すぎる
- シャッターが付着している、またはシャッター制御回路が故障している
- 光学性能 — 分解能、感度(SRBR - シグナル/ルートバックグラウンド比と SBR - シグナル/バックグラウンド比)、および精度が含まれます。光学性能テストの実行の操作手順と通常の結果を参照してください。テストでは、波長範囲全体に渡り、システムとして装置を検証します。考えられるエラーモードは以下の通りです(前述の各テストが実行済みで合格しているものとします)。
- 感度テストの不合格
- 分解能テストの不合格
- 精度テストの不合格
SBR = 正味標準強度/ブランク強度
SRBR = 正味標準強度/SQRT(ブランク強度)
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スイッチングバルブと自動希釈装置アクセサリを使用しているときは、アクセサリによるこのテストの実行をバイパスするか、選択解除する必要があります。
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- アドバンスドバルブシステム テスト — AVS 4、6、または 7 のスイッチングバルブが取り付けられているときに、それをテストします。アドバンスドバルブシステム テストは、濃度リミットと %RSD をチェックします。アドバンスドバルブシステム テストは、ICP-OES 波長較正溶液とブランク溶液を使用して実行されます。内標準ラインのテストは実行されません。そのチューブかポートに詰まりがあっても、テストではそれを検出しません。
アドバンスドバルブシステム テストの実行
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化学物質の危険と目への危険
化学物質に接触したり、汚染された可能性があるチューブやコンポーネントを取り扱ったりする際は、常に適切な防護服を着用することが重要です。危険性のある化学物質への接触を避けるため、スイッチングバルブからチューブを取り外す前に、必ずチューブとバルブはすべて十分にリンスしてください。酸が皮膚に接触した場合、すぐに大量の水で洗い落し、ただちに医療処置を受けてください。
硝酸や塩酸は、非常に腐食性が強く、皮膚や目に触れると、重度のやけどを負う可能性があります。これらの酸や、これらの酸と接触した部品を取り扱うときは、常に適切な防護服を着用することが重要です。フッ酸やフッ酸と接触した部品を取り扱うときは、必ず、丈夫な PVC またはネオプレンゴム製手袋と保護マスクを装着してください。
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- テストの実行前に、ICP-OES 外部排気と ICP-OES およびプラズマがオンになっており、ICP Expert が開いており、サンプル導入部がセットアップされており、ポリクロメーターが 35 ℃に到達していることを確認してください。
- オートサンプラがスイッチングバルブ上のポート 2 からのラインと接続されており、ブランク溶液と波長較正溶液がオートサンプラの適切な場所に置かれている必要があります。
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Agilent SPS 4 以外のオートサンプラ、またはデフォルトの SPS 4 レイアウト以外のラックレイアウトを使用しているときは、テストの実行前にオートサンプラの環境設定を変更する必要がある可能性があります。これを行うには、次のように操作します。
- ICP Expert で、[ファイル] > [オプション]をクリックします。
- [全般]ページで、正しいオートサンプラ モデルが選択されていることを確認します。
- [環境設定]タブをクリックして、[オートサンプラ]セクションまで下にスクロールします。
- [標準ラック]と[ラック]の選択が、オートサンプラで使用されているものと一致していることを確認します。
- [OK]をクリックします。
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- ツールバーの[装置]をクリックします。
- [テスト]をクリックします。
- すべてのテストを選択解除し、[アドバンスドバルブシステム テスト] を選択します。
- ブランクと波長較正溶液をオートサンプラ上の正しい場所に置きます。その場所の[オートサンプラ]ページをチェックします。
- ブランク – 標準ラック 1、位置 1 に置きます。
- 波長較正溶液 – 標準ラック 1、位置 2 に置きます。
- 波長較正溶液 – サンプルラック 1、位置 1 に置きます。
- [テスト実行] をクリックします。
- テスト中に表示される指示に従って操作します。
ワークシートが開いて、テストが実行されます。%RSD が、[装置] > [テスト]ページおよび[分析]ページに作成されたレポートに表示されます。
合否判定の結果が、[装置] > [テスト]ウィンドウに表示されます。
- テストに合格したら、ここをクリックして、安定化時間とリード時間を最適化してください。
エラーモード
テストが不合格になったときに考えられる原因は以下のとおりです。
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[テスト]タブで[アドバンスドバルブシステム テスト]および[オートサンプラを使用する]が選択されている場合は、光学性能テストは行えません。
両方のテストを実行するには、[オートサンプラを使用する]を選択解除し、光学性能テストに必要な溶液をマニュアルで導入します。
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結果
この列には、テストに合格すると緑色のチェックマークが表示され、不合格になると赤色の「x」が表示されます。
テストに不合格になった場合、考えられる原因を提示するメッセージが結果に表示されます。また、不合格になったテストをハイライトにしてから、赤色の「x」にカーソルを合わせて、考えられる原因を表示できます。
オートサンプラを使用する
オートサンプラから検査用バッファを導入するときに選択します。装置テストは、デフォルトでは Agilent SPS 4 になっていますが、[環境設定]で、自動的にオートサンプラタイプの設定に移動します。このオプションを使用するときは、[環境設定]で、オートサンプラとラックの正しいタイプを選択していることが非常に重要です。
AVS スイッチングバルブがシステムにフィッティングされるときは、[オートサンプラを使用する]が選択されていると、光学性能テストはスキップされます。
AVS 6 や 7 のスイッチングバルブがシステムにフィッティングされる場合で、[オートサンプラを使用する]が選択されていないときでも、オートサンプラは、アドバンスドバルブシステム テストにのみ使用されます。
テスト実行
クリックすると、テーブルで選択されているテストが実行されます。プラズマがオフになっているとき、プラズマがウォームアップ中のとき、および装置がビジー状態であるときは、[テスト実行]は選択できません。
停止
このボタンをクリックすると、テストが停止されます。
レポートを PDF にエクスポート
クリックすると、完了したテストの表示されているレポートが PDF ファイルとして保存されます。
自動プラズマ点火待機時間
プラズマ点火後のウォームアップのための待機時間の長さ。
印刷プレビューページ
印刷プレビューページは、テストが完了したら表示され、詳細結果を示します。[印刷]ボタンをクリックすると、レポートが印刷されます。
関連項目: