このオプションは、ICP Expert Pro 機能パックでのみ使用できます。ADS 2 または ESI オートサンプラを ESI PrepFAST 自動希釈システムとともに使用すると、ICP Expert を設定して、サンプル希釈と検量線作成を制御することができます。
このページでは、以下の情報を提供します。
ADS 2 または ESI PrepFAST を有効化した後、以下のワークシートページに、追加のフィールドが表示され、自動希釈装置を設定します。
可変希釈では、以下の優先順位でサンプルに希釈を実行します。
可変希釈する波長を、溶液ごとに、あるいはワークシート全体に定義できます。選択した元素の結果が指定したリミットから外れていた場合、ICP Expert は、自動的にサンプルを希釈してから再分析します。
可変自動希釈では、可変希釈をトリガーさせるサンプルの直後に希釈溶液を添加します。これは、追加の再検量やレート駆動 QC ブロックの生成につながることがあります。可変自動希釈の結果として生成されたレート駆動 QC ブロックには、サンプルと対になった QC 溶液(DUP、MSPK、MSD、QCSPK、SER)は含まれません。
分析対象物または干渉可変希釈の希釈率を決定するための計算
ターゲット希釈率 = 観察された濃度 / 上限 / X
X = [標準液]ページで選択した可変希釈ターゲットによって決定される係数。
検量線 X の中心値 = 0.5
検量線 X の下限 = 0.1
上限 = 可変希釈トリガー% x 最も高い較正標準液の濃度
希釈率の候補は、以下のリストからの希釈率に等しく、ターゲット希釈率以上となります:
2、5、10、25、50、100、150、200、250、300、400
検出器の測定上限超過の希釈率を決定するための計算
ターゲット希釈率 = 30,000,000 / 最も高い較正標準液の強度
希釈率の候補は、以下のリストからの希釈率に等しく、ターゲット希釈率以上となります:
100、150、200、250、300、400
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ISTD の波長は、検出器のオーバーレンジをトリガーすることはできず、分析対象物または干渉物質のみをトリガーできます。 |
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このビデオでは、自動希釈を有効にしたメソッドを設定して実行する方法を紹介します。また、可変自動希釈を設定する方法や、検量線に使用する希釈値の手動入力方法、[自動較正アシスタント]を使用して検量線パラメータを設定することによりストック標準液を自動的に希釈する方法についての情報も含まれています。 |
メソッド設定の概要:
これらのパラメータは、ADS 2 を有効にしているすべてのワークシートに適用され、ADS 2 に保存されます。ADS 2 を分光分析装置から別の分光分析装置に移動した後は、必ずこれらのパラメータを見直してください。
ループ容量
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ADS 2 のループサイズは、AVS のループサイズと同じでなければなりません。 |
シリンジパラメータ
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低溶出のシリンジを使用する場合は、このフィールドは必須です。希釈液シリンジ容量に入力する較正値は、シリンジのバレル部にあります。 ガラス製シリンジを使用する場合は、10 mL と入力します。 |
シリンジパージ
シリンジパージ(h)を使用して、シリンジの内容物が定期的にパージされるようにします。
ESI SC アプリケーションから直接、ループサイズを設定します。
ADS とシリンジを初期化し、プライミングします。
[初期化]は、ADS 2 をホームポジションにリセットします。[プライミング]はシステムをフラッシュし、気泡を取り除きます。
希釈リストは、溶液ごとに可変希釈の元素と波長を設定するために使用します。
[元素]ページで、[希釈リスト]を選択した場合、[可変希釈]のチェックボックス付きの[内標準](1 つ選択された場合)のみが表示されます。その他のすべての元素は、[シーケンス]ページで[希釈リスト]を割り当てることができます。
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[希釈リスト]を有効にすると、[シーケンス]ページで[希釈リスト]が割り当てられていない場合でも、全元素で可変希釈をトリガーすることができます。 |
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[希釈リスト]に存在するものの、[元素]ページで選択されていない元素は、その行の背景色で示されます。 |
可変希釈を有効化するには、次のように操作します。
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[内標準]の[可変希釈]は、ワークシート内のすべての溶液に対して実行されます。手順については、選択した可変希釈を含むワークシートの有効化と設定を参照してください。 |
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* [希釈リスト]を使用する代わりに、特定の波長を入力して、それらの波長のみが可変希釈をトリガーさせるようにすることができます。特定の波長を入力する際は、「WL_1, WL_2」の形式を使用します。ここで、WL_1 と WL_2 は、[元素]ページの[ラベル]列の元素名と正確に一致するものとします。 |
ワークシート内で、すべての溶液の指定した元素に対して可変希釈を有効にします。
検量線が自動生成されるように ICP Expert を設定するには、方法が 2 つあります。
使用したい[ストック標準液]が以下のオプションに記載がない場合には、以下の 2 つの手順のいずれかを実行する前に、[ストック標準液ライブラリ]で新しいエントリの作成が必要になる場合があります。[ストック標準液ライブラリ]のエントリを追加または編集するにはどうすればよいですか?
ICP Expert の自動較正アシスタントは、標準液の検量線作成に必要な希釈率を決定することに役立ちます。
ストック標準液ライブラリの濃度は、mg/L 単位です。ウィンドウの右上にあるフィルターを使用して、目的の元素と、それらを含むストック標準液をすばやく見つけることができます。
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ライブラリへの変更は自動的に保存されます。Agilent 提供のライブラリのデフォルト値に戻すには、[すべてリセット]をクリックします。 |
新しいストック標準液をライブラリに追加するには、次のように操作します。
ストック標準液をライブラリから削除するには、次のように操作します。
ストック標準液ライブラリ内の元素の濃度を編集するには、次のように操作します。
[希釈]と[実行]を使用すると、[分析]ページで溶液を選択し、単一の指定した希釈で測定したり、新しい希釈率を使用して選択した溶液を再測定したりできます。
溶液をすばやく再測定するには、次のように操作します。
再測定された溶液はすべて、前回測定された溶液のすぐ下に表示されます。再測定された溶液の横にある矢印をクリックすると、新しい結果が表示されます。新しい測定結果にはそれぞれ、番号または希釈値が追加されます。
下図は、溶液が可変的に自動希釈されたときの分析グリッドの機能を示しています。この表示はすべての希釈溶液で同じです。