元素間補正(IEC)較正を使用したメソッドの設定と実行

[設定]ページで[IEC]タブが有効になったら、[IEC]タブをクリックして、[IEC](元素間補正)ページにアクセスします。IEC は、ある元素と別の元素とのスペクトルのオーバーラップがある場合に使用します。

[IEC]ページの左側には検体に関するパラメータが表示されます([検量線用標準液を検体標準液として使用する]が選択されていないとき。選択されているときは、[検体]パラメータはグレイアウトされアクセスできません)。右側には干渉溶液に関連するパラメータが表示されます。

ワークシートに結果が含まれているときは、[IEC]ページの一部のみ変更できます。

干渉として使用する標準液を指定

[検量線用標準液を検体標準液として使用する]を使用すると、標準液を検体溶液として使用できます。[検量線用標準液を検体標準液として使用する]を使用すると、[標準液の数]フィールドが無効になります。[干渉]フィールド、表、検量線タイプ表のみが編集可能のままになります。IEC マトリックスの作成に使用した検量線用標準液と同じ溶液を使用するときは、IEC ブロックの直後に較正ブロックを測定し直す必要はありません。[検量線用標準液を検体標準液として使用する]オプションを使用すると、再キャリブレーションを必要とせずに IEC マトリックスと較正が作成されます。

[検量線用標準液を検体標準液として使用する]は、[標準液]ページにある、すべての検体波長の曲線タイプが[直線近似]に設定されているときにのみ使用できます。

[干渉を再検量]では、新しい検量線を作成し、これにより検体と干渉のレスポンスの経時変化を補正します。IEC 係数は、干渉の感度(Si)と検体の感度(Sj)の関数であり、定数と見なします。ネブライザーの動作の変動やサンプルの粘性の変化による経時的な装置の感度の変化は、検体標準液と干渉標準液のリキャリブレーションによって補正されます。干渉のリキャリブレーションは、通常の分析較正手順で実行されます。

このオプションが選択されているとき、[検量線用標準液を検体標準液として使用する]は使用できません。さらに[標準液]ページの[濃度]表に[干渉標準]列が表示され、[検量線タイプ]表に干渉検量線タイプのパラメータが表示されます。

IEC マトリックスの作成に使用した検量線用標準液と同じ溶液を使用するときは、IEC ブロックの直後に較正ブロックを測定し直す必要はありません。[検量線用標準液を検体標準液として使用する]オプションを使用すると、再キャリブレーションを必要とせずに IEC マトリックスと較正が作成されます。

[干渉を再検量]が選択されている場合は、干渉元素の標準液濃度が[IEC]ページで定義されており、[標準液]ページで標準液が干渉とともに選択されていることを確認します。

干渉は、検体の較正の一部として再キャリブレーションできます。

干渉を再検量するには、次のように操作します。

  1. [設定]ページで[IEC を有効にする]を選択します。
  2. [IEC]ページで[干渉を再検量する]を選択します。IEC 係数の計算に使用する標準液濃度をすべて入力します。
  3. [標準液]ページで標準液の検体濃度と干渉濃度を入力します。各干渉元素に、少なくとも 1 つの標準液で定義された濃度があることを確認します。[干渉標準]列で、干渉を含む必要な標準液を選択します(標準液に干渉が含まれる場合は、デフォルトで自動的にそれが選択されます)。

[干渉を再検量する]と[較正間隔(サンプル数):]の両方が選択されている場合に、較正ブロックが測定されると、IEC 干渉波長が「再較正」されます。

IEC 係数はステップ 2 で定義した溶液の分析から計算されます。これらの係数は、検体と干渉のリキャリブレーション後も含めて、分析を通じてすべての IEC 係数に使用されます。

既存の IEC 係数を使用するには、[分析]ページで IEC 溶液を選択解除します。[IEC 係数表]に IEC 係数を入力します。計算済みの IEC 係数を含むテンプレートからワークシートを開いたときは、計算済みの IEC 係数が[IEC 係数表]に表示されます。

[干渉を再検量]についての詳細をご紹介します

干渉検量線タイプ

[干渉を再検量]が選択されているときは、この表は利用できません。

[干渉検量線タイプ]表の数値フィールドはすべて(グレイアウトされているものを除き)、セルをクリックして新しい値を入力することにより直接編集できます。

検量線タイプ

[直線近似]では、強度対濃度領域を最適にフィッティングした最小二乗法による直線が得られます。線形あてはめが利用できる唯一のオプションです。

直線近似、レーショナル、二次曲線の式の詳細をご紹介します。

重み付け適合

このチェックボックスをオンにすると、データのベストフィットを計算するときに、統計的な重み付けを適用します。[重み付け適合]を選択すると、検量線の誤差のより小さいポイントに、より大きな重みを与えるように、ポイントの重み付けが行われます。次に、より高いレートのポイントにより近似するように線が作成されます。シグナルの精度が最も高い場所で誤差を小さくすることで、誤差を制御できるため、重み付け適合の使用を推奨します。

重み付け適合についての詳細をご紹介します

スルーブランク

このチェックボックスをオンにすると、ブランクシグナルを通るように較正します。

ブランクが削除されたときや較正の一部として選択されていないときは、較正は原点通過を強制されます。

較正にゼロ以外の最小濃度が定義されているときは、その波長に[スルーブランク]を選択しないでください。選択すると、原点が較正の最良適合の線の計算に使用されます。

スルーブランクについての詳細をご紹介します

最小濃度/添加濃度

較正が有効になる下限値を入力します。下限値は通常ゼロに設定されますが、フィールドは編集できます。サンプルの結果が最小濃度未満の場合、アンダーレンジ(下限値以下)として定義されます。最小濃度は測定中に編集できます。

最大濃度/添加濃度

較正が有効になる上限値を入力します。上限値は、線で最も高い濃度値を得てから、110% を乗算して決定します。たとえば、最も高い濃度値が 30.0000 の場合、最大濃度値は 33.00000(30.0000 x 110%)になります。サンプルの結果が最大濃度を超えている場合、測定上限超過として定義されます。フィールドは編集できます。最大濃度は測定中に編集できます。

可変希釈トリガー

サンプル分析中に IEC 波長濃度が入力した許容範囲を超えると、可変希釈がトリガーされます。詳細についてはここをクリックしてください。

較正誤差

標準液の較正点からの最大偏差を入力します。検量線の各ポイントをチェックして、どの程度個々のポイントが(最良適合の)検量線から外れているかを判定します。[較正誤差]が指定した値よりも大きい場合、失敗と見なされます。検量線以降のすべての溶液は、濃度と検量線が表示されないため[未検量]と表示されます。較正誤差は測定中に編集できます。

関連項目: