Agilent ICP-OES を起動して分析を準備

ICP-OES システムを起動する前に、『ICP-OES ユーザーガイド』の「安全上の注意と警告」のセクションを精読して、ラボが『Agilent ICP-OES 設置前要領書』に記載されている ICP-OES の仕様に従ってセットアップされていることを確認することを強く推奨します。

分析用に装置を起動し準備するには、次の手順に従います。

  1. ICP-OES の起動
    1. 装置を初めて(または長期シャットダウンから)オンにするまたは
    2. アイドル状態から装置を実行する
  2. 分析を準備する

装置を初めて(または長期シャットダウンから)オンにする

装置を初めてまたはシャットダウンからオンにするには、次のように操作します。

  1. 排気ライン、(また使用する場合には)外部吸気口ダクト アダプタラインが ICPOES に固定されていること、空気フィルタが塞がれていないことを確認します。
  2. ラボの排気システムをオンにします。
  3. ガスラインと冷却水ラインが ICP-OES 装置に接続されていることを確認します。
  4. ガス供給をオンにし、適切な圧力に設定します。
  5. 水冷チラーの電源を入れます。
  6. 水の供給がオンの状態で適切な圧力に設定されており、水冷チラーが適切な温度に設定されていることを確認します。
  7. トーチが清潔で、良好な状態であること、トーチのハンドルが完全に閉じた状態で取り付けられていることを確認します。
  8. スプレーチャンバ、ネブライザー、およびペリスタルティックポンプのすべてのチューブが取り付けられて適切に接続されていることを確認します。
  9. プラズマコンパートメントのドアが完全に閉じていることを確認します。
  10. イーサネット LAN ケーブルがコンピュータまたはローカルエリアネットワークに接続されていることを確認します。
  11. コンピュータ、モニタ、プリンタの電源を入れます。
  12. ICP-OES の電源ケーブルを壁のコンセントに差し込み、装置の左側にある主電源スイッチをオンにします。
  13. 装置の正面にある電源 ON/OFF スイッチを押します。装置がオンのとき LED 表示が緑色になります。装置は現在スタンバイ状態にあり、ポリクロメーターを連続的にパージし、サーモスタットで制御します。

装置が作動するには、装置の左側の主電源スイッチと前面パネルの電源スイッチの両方がオンになっていなければなりません。ガスパージとポリクロメーターの温度の安定に時間を要するため、長期のシャットダウン状態から装置を起動して分析できるようになるまでには、数時間かかります。

  1. ICP Expert ソフトウェアを起動するには、[ICP Expert]デスクトップアイコンをダブルクリックします。[開始]ページが表示されます。

装置をスタンバイ状態から動作させる

スタンバイ状態(両方の電源スイッチがオン)の間は、ポリクロメーターの温度が調節され、ポリクロメーター ガス パージが実行されており、プラズマを点火してから 20 分以内に装置で分析を開始することができます。

アイドル状態から装置の使用を開始するには、次のように操作します。

  1. ラボの排気システムをオンにします。
  2. トーチが清潔で、良好な状態であること、トーチのハンドルが完全に閉じた状態で取り付けられていることを確認します。
  3. スプレーチャンバ、ネブライザー、およびペリスタルティックポンプのすべてのチューブが取り付けられて適切に接続されていることを確認します。
  4. トーチコンパートメントのドアが完全に閉じていることを確認します。
  5. モニタとプリンタの電源を入れます(オフの場合)。
  6. 水冷チラーの電源を入れます(オフの場合)。 
  7. アクセサリーを取り付けた場合は、取り付けたアクセサリーの電源を入れます。
  8. ICP Expert ソフトウェアを起動するには、[ICP Expert]デスクトップアイコンをダブルクリックします。[開始]ページが表示されます。

分析の準備をする

分析の準備をするには、次のように操作します。

  1. サンプル導入部をセットアップします(まだ行っていない場合)。
  2. ペリスタルティックポンプからのサンプルチューブをリンス溶液に、ドレインチューブを廃液容器に入れます。
  3. ICP Expert ソフトウェアを装置に接続します(必要な場合)。詳細については、ICP-OES とソフトウェアの接続を参照してください。
    1. ICP Expert ソフトウェアのツールバーにある[装置]をクリックします。
    2. [接続]をクリックします。
    3. リストから装置を選択します。または、[新規接続]をクリックして、装置の IP アドレスを入力します。

    その PC で使用する装置が 1 台だけの場合、[自動接続]をクリックしてソフトウェアを装置に自動的に接続させます。

  4. ICP Expert ソフトウェアの[プラズマ]ボタンをクリックします。または、F5 を押すか、[プラズマ]ボタンの下の矢印から[プラズマ オン]を選択します。
  5. ICP Expert ソフトウェアの[ポンプ]ボタンをクリックし、[ポンプ]ボタンの下の矢印から[標準(15 rpm)]を選択します。ポンプが初期化され、溶液の吸引を開始します。



高温表面 - 有毒ガス - 非電離放射線
火傷の危険性、吸入障害。プラズマにより、危険性がある、熱、オゾン、およびガスが放出されます。プラズマを発生させる前に、必ず排気システムのスイッチをオンにしてください。

プラズマ点火シーケンスが完了するまでには、約 60 ~ 80 秒かかります。プラズマが点火しない場合、ヘルプの「トラブルシューティング」セクションの詳細を参照してください。

プラズマを点火する前に、スプレーチャンバとネブライザーがトーチに接続されていることを確認します。

性能と安定性を高めるため、ICP-OES ではプラズマの点火から 20 分間のウォームアップ時間を推奨します。

189 nm 未満の波長を使用している場合、ポリクロメーターのパージに最大で数時間かかる可能性があります。長期シャットダウンからポリクロメーターの温度が安定するまでには、数時間かかる可能性があります。

 

関連項目: